さすらいのハル、異論反論日記

ドラマや映画、漫画やニュースに言いたい放題言わせて頂きます。

色紙は10年寝かせて熟成?

 土曜日に年に数回のレベルで鬱になった。助けを求めて色々なところに電話をかけまくった。しかし、気まぐれで鬱になる中年に手を差し伸べてくれる優しいひとなどそうはいない。皆さん日々の生活で忙しいのだから。そこで唯一相談にのってくれたカウンセラーさんが「今まで私が仕事で助けた人たちのことを思い出して。彼らはあなたのことを大切に想ってくれているのだから。」と言ってくれて、そうかなあとなんとなくその意見は保留していた。

    しかしさっき、ふと思い立って昔の同僚のA君の名前でfacebookでも検索してみるか?と思い、仕事が異動になったとき貰った色紙を本棚から引っ張り出してみた。明らかに同僚A君が勝手に思い立って彼なりの善意から皆に強要した色紙。10年間、気恥ずかしさと仕事の時の辛さを思い出すので本棚に入れっぱなしにして決して見ることはなかったのだけれど。久しぶりにみる色紙の名前は覚えている人も忘れてしまった人もいる。申し訳ない、名前忘れてゴメン!コメントは「〇〇に異動になっても頑張ってください。」の〇〇が間違ってて、ちげーよ!と突っ込みを入れたくなるものもあるし、そもそもみんな「異動」の漢字が「移動」になってるし。「今までありがとうございました。これからも頑張ってください。」と殴り書きされていて無理矢理書かされた感のあるのもある。でも、中には私が無我夢中で決行した研修旅行のことを感謝しているとのコメントや、私自身忘れてたけど勤務時間外に資格試験の講座を開き、無事おかげで合格しましたという話も載っていて、なんか10年も前のことなのだけど涙が込み上げてきた。私も少しは人の役に立つこともあったんだな。あのときは辛すぎて異動願いを出して、もうこんな職場イヤだと喚き散らしてたっけ。異動が決まったときも周りの人たちは迷惑な奴が居なくなってせいせいしたって雰囲気がひしひしと伝わってきて、別れを惜しんでくれた同僚はA君だけだったのに。そんなときあの色紙を貰ったのだ。

    私の人生哲学は一期一会なので、色紙なんて無用の長物だと思っていた。しかし、そんなモノでもワインやウイスキーのように熟成されて私だけのための素敵な詩としてブーメランみたいに戻ってくることもあるんだな、としみじみしてしまった。本来色紙の中から探したかったA君のフルネームは分からずじまいだったけどね。