さすらいのハル、異論反論日記

ドラマや映画、漫画やニュースに言いたい放題言わせて頂きます。

「デート」っていうドラマ覚えてる??

     私は逃げ恥の平匡さんがプロの独身から卒業したことに狼狽えてるんですが、(あれって人生哲学ではなく単に自信がなくて臆病な自分、ぼっちで可哀想な自分を正当化するための言い訳だったの?)そのからくりを考えているうちにあるドラマを思い出しました。月9枠でリーガル・ハイ鈴木先生などの脚本家、古沢良太さんが書いた「デート 恋ってどんなものかしら」です。

     よく考えてみるとあれも分厚い契約書で恋愛、結婚を理性で乗り越えようとした契約結婚の話なんですよね。もっともみくりの役が長谷川博己さん、平匡の役は杏さんなので男女逆転してるんですけどね。みくりは多少交際経験があるのに対し長谷川博己の役(谷口巧)は付き合った経験こそあれど高齢童貞のひきこもりですが、仕事ができない、仕事が見つからなくて貧乏という点では共通しているかも。妄想癖はないかもだけど巧は小説や漫画や古い映画の中に生きてるような人だし。

   平匡に匹敵する杏ちゃん(藪下依子)は東大卒の数学博士号取得したエリート(たぶん)で物事を理詰めで考えて契約書にすればうまく感情的な欠点を解決できると思っている。恋愛というものがよくわかっていなくて、考えた挙句、恋などという曖昧な感情は排除して合理的で建設的な関係を巧と築こうとする。巧のほうが小説映画に慣れ親しんでるだけあって、ひきこもりとはいえ人間らしい心を持っている優しい人なのでこの関係、始めてみたもののどうなんだろう…でも自立のためには、金のためには仕方ない…と言っているうちに一見孤高の女の子に見える依子の脆さを理解しはじめる、といった話だったと思う。恋ダンスはなかったけど広末涼子の「マジで恋する五分前」に乗せてフラッシュモブ&プロポーズ!とか似た要素もあったような。

    みくりみたいな妄想シーンはないけれど、依子が着慣れない可愛い系の服をモテ女子マニュアルの通り着てくるんだけど花を付ける場所が間違ってたり、石森章太郎サイボーグ009のコスプレしたり、笑える要素満載なんですよね。

     それだけ、草食化といっちゃえばそれまでですが、理性的に割り切らなければ、役割分業としての共同生活または社会的ユニットとして考えなければ結婚なんて利益の分配がハッキリしない曖昧なシステムは成立しない。また恋愛なんていう得体の知れない、いつまで続くかも分からない相手の無償の気持ちを信頼すること自体、普通の神経ではできなくなっているのかもしれない、と思うんです。だからこそ「デート」や「逃げ恥」が共感を獲得する。

        福士蒼汰君とかが主役やってるような恋愛映画とか漫画とかドラマを本気で信じちゃうようないい意味でお馬鹿さんな子達って逆に少子化対策としては貴重な存在ですよね。私、偏差値38の学校に勤めてましたが半分くらいの女の子はお馬鹿さんだけどピュアで意外に真面目で、家計簿も料理もイマイチかもだけど私が男なら偏差値70の学校の子よりこちらの子達を嫁にします、絶対に。進路指導部にハローワークの求人票を並べておく棚があるのだけどそこに「永久就職、専業主婦」の求人も置いておけばいいのに、は暴論でしょうかね?

       そういえば、ある人に「デート」の話をしたら、「普通にドラマを楽しめばいいのに、なんで小難しく考えるかなあ?」って言われたんです。その言葉そのまま「逃げるは恥だが役に立つ」にも適用すべきなんでしょうね。感情を頭でなんとか正当化しようとしても、結局もやもやしてしまう。かといってみくりと平匡みたいに「火曜はハグの日」で解決できちゃうのかな。自分の小賢しさ、頭でっかち、なんとかなんないかなあ!もう。