さすらいのハル、異論反論日記

ドラマや映画、漫画やニュースに言いたい放題言わせて頂きます。

小賢しいの定義

みくりは小賢しいことをコンプレックスしていたが、良く考えたらみくりってそれほど小賢しくない気がする。むしろ不器用で正直に思った事や疑問点を正面から受け止め、そのまま妄想やモヤモヤを経て平匡さんはじめ周りの人達にぶつけてしまっている気がする。

広辞苑には小賢しい: ①利口ぶって、なまいきである。②わるがしこい

という定義になっているけど、確かに①は当てはまる。平匡さんも「人を見下すって意味ですよね、僕はそうとは思いません。」と言っていたような。

     でも、私にとっていままで考えていた小賢しい女の子の定義は②のほう、つまり外見の可愛さを武器に、本音を隠して男をうまく立てて操縦できるオンナなんですよね。逃げ恥でいうと平匡のコンプレックスには目をつぶり「大丈夫、あなたは素敵だと思うな。」と嘘でも言っちゃうような。平匡さんは仕事は一応できる訳だから、ガンガン稼がせて年収も上げる。最低賃金である生活のレベルも高級家電や家具を買って月給アップ代わり。またみくりはボーナス代わりに報酬(高い洋服や宝石や旅行や高い歯の詰め物?)をもらう。今までの私が勝手に呼んでる名称ですが「上級主婦」あまり詳しくないけど雑誌のVERYを読んで、そこで紹介されているライフスタイルを実践できるような主婦って、みんな②のほうの意味で小賢しくそういう風に暮らしているんじゃないかなあ。

     ただ、平匡のほうが独身歴長い分その辺勘は良さそうな気もするので嘘八百で「好きです」とか「風見さんなんかより平匡さんのほうが格好いい。」とか言われても信じないかもしれないな。何事も本音でぶつかる性格のみくりだから、お寺で「私平匡さん好きですよ?」といったのも真実味があったのかもしれない。

      話は変わりますが、よく専業主婦の方が「欲しいものがあるときに、自分だって家事労働で貢献しているのに(逃げ恥でいうと共同経営者)旦那に、ねえ、あれ買って、あれが欲しいんだけど…」とおねだりしなければいけないのがキツイと聴いたことがあるけど、それをやってのけられるのが私から見ると小賢しさのスキルなんですよね。

   みくりはただでさえ高学歴でしかもユリちゃんという自分の分は自分で稼ぐロールモデルが居るのでどうしても従来型の女性の役割を引き受ける覚悟ができていないような気がする。作中ではみくりは歯のかぶせもの以外それほど物質欲もあるように見えないのにね。でもやはりユリちゃんを見ちゃってるから贅沢のレベルは高く節約貧乏暮らしは実は苦手なのかもしれない。みくりが従来の女性像と社会適応に問題を抱えているキャラだとは他のツイートやブログなどで何度か目にしたが、そのへんを鑑みてもやはり小賢しくはない直情型のキャラなのかもしれない。私は今季のドラマでは「地味にスゴイ・校閲ガール河野悦子」のえっちゃんの方がみくりより好きだったけど、本当は二人とも似たキャラだったのかもしれない。今の二十代女性が「専業主婦になる=最低賃金暮らしはなんだかなあ」「キャリア追求=ユリちゃんはイタイのかなあ」「私って言いたいことすぐ言っちゃう、または言いたい!=それってオトコにドン引きされるよね」に迷っているような(みくり)、振り切って暴走したいような(悦子)に分かれているのかな、と思わせられる秋冬ドラマ二本立てでした。あなたはみくり派?えっちゃん派?