さすらいのハル、異論反論日記

ドラマや映画、漫画やニュースに言いたい放題言わせて頂きます。

クレーマーもやり方次第・・

   高齢者の母が、今日ヤマダ電機でラジオを買ってきたんです。そしたら、AMラジオがまったく繋がらない。確かに群馬で聴けるラジオはNHKとTBSだけなのでその点は諦めているのですが、その二局すら繋がらない。母はヤマダ電機カスタマーセンターに電話をかけました。そしたら、一度開封したものは返品を受け付けないとのこと。まあ、店頭で実物を開けてもらって実際に聴かなかった母にも非はあるでしょうし、母は「明日東京に行くのでそこで聴けますか?」と質問して店員は大丈夫だと答えたのだそうだけどもその質問方法にも問題がある。でも、密封してあるラジオ(そして今時小型ラジオは店頭見本などないであろう)の性能を確認できる訳はないわけで。

  どうしても合点がいかないので、代わりに私がヤマダに電話しました。「東京で電波を拾える商品なのかもしれないですけど群馬で売っているラジオなのに群馬で受信できないのって変ですよね?まあ、確認しなかったこちらにも大いに非はありますが。」と聞いてみたら、ヤマダ電気側は「一旦検討させてください。折り返しお電話します。」とのこと。で、30分後、返品OKとの答えが。やればできるじゃん、ヤマダ電機!そして、高齢者をなめるのはどうかと思いますよ?

   ラジオなので大した値段じゃないですけど、ヤマダ電機さんの誠意を認めて、返品分のお金で新しいイヤホンをその売り場で買うつもりです。(ラジオは私のSONY高級小型ラジオを母が「これ壊れてる」とかいちゃもんをつけてたので、実演して聞こえることを確認してもらいました) 母がはやくスマホを買ってradikoでラジオを聴いてくれるようになればこちらも楽なんですけど、頑固だからなあ。そして、安物と比べるとツイッターの住人さんたちからアドバイスをもらって大金はたいて買ったSONYラジオが如何に優秀かよくわかりました。

「デート」っていうドラマ覚えてる??

     私は逃げ恥の平匡さんがプロの独身から卒業したことに狼狽えてるんですが、(あれって人生哲学ではなく単に自信がなくて臆病な自分、ぼっちで可哀想な自分を正当化するための言い訳だったの?)そのからくりを考えているうちにあるドラマを思い出しました。月9枠でリーガル・ハイ鈴木先生などの脚本家、古沢良太さんが書いた「デート 恋ってどんなものかしら」です。

     よく考えてみるとあれも分厚い契約書で恋愛、結婚を理性で乗り越えようとした契約結婚の話なんですよね。もっともみくりの役が長谷川博己さん、平匡の役は杏さんなので男女逆転してるんですけどね。みくりは多少交際経験があるのに対し長谷川博己の役(谷口巧)は付き合った経験こそあれど高齢童貞のひきこもりですが、仕事ができない、仕事が見つからなくて貧乏という点では共通しているかも。妄想癖はないかもだけど巧は小説や漫画や古い映画の中に生きてるような人だし。

   平匡に匹敵する杏ちゃん(藪下依子)は東大卒の数学博士号取得したエリート(たぶん)で物事を理詰めで考えて契約書にすればうまく感情的な欠点を解決できると思っている。恋愛というものがよくわかっていなくて、考えた挙句、恋などという曖昧な感情は排除して合理的で建設的な関係を巧と築こうとする。巧のほうが小説映画に慣れ親しんでるだけあって、ひきこもりとはいえ人間らしい心を持っている優しい人なのでこの関係、始めてみたもののどうなんだろう…でも自立のためには、金のためには仕方ない…と言っているうちに一見孤高の女の子に見える依子の脆さを理解しはじめる、といった話だったと思う。恋ダンスはなかったけど広末涼子の「マジで恋する五分前」に乗せてフラッシュモブ&プロポーズ!とか似た要素もあったような。

    みくりみたいな妄想シーンはないけれど、依子が着慣れない可愛い系の服をモテ女子マニュアルの通り着てくるんだけど花を付ける場所が間違ってたり、石森章太郎サイボーグ009のコスプレしたり、笑える要素満載なんですよね。

     それだけ、草食化といっちゃえばそれまでですが、理性的に割り切らなければ、役割分業としての共同生活または社会的ユニットとして考えなければ結婚なんて利益の分配がハッキリしない曖昧なシステムは成立しない。また恋愛なんていう得体の知れない、いつまで続くかも分からない相手の無償の気持ちを信頼すること自体、普通の神経ではできなくなっているのかもしれない、と思うんです。だからこそ「デート」や「逃げ恥」が共感を獲得する。

        福士蒼汰君とかが主役やってるような恋愛映画とか漫画とかドラマを本気で信じちゃうようないい意味でお馬鹿さんな子達って逆に少子化対策としては貴重な存在ですよね。私、偏差値38の学校に勤めてましたが半分くらいの女の子はお馬鹿さんだけどピュアで意外に真面目で、家計簿も料理もイマイチかもだけど私が男なら偏差値70の学校の子よりこちらの子達を嫁にします、絶対に。進路指導部にハローワークの求人票を並べておく棚があるのだけどそこに「永久就職、専業主婦」の求人も置いておけばいいのに、は暴論でしょうかね?

       そういえば、ある人に「デート」の話をしたら、「普通にドラマを楽しめばいいのに、なんで小難しく考えるかなあ?」って言われたんです。その言葉そのまま「逃げるは恥だが役に立つ」にも適用すべきなんでしょうね。感情を頭でなんとか正当化しようとしても、結局もやもやしてしまう。かといってみくりと平匡みたいに「火曜はハグの日」で解決できちゃうのかな。自分の小賢しさ、頭でっかち、なんとかなんないかなあ!もう。

お金を稼ぐことと遣うことの相関関係

      働くことが好きな人と嫌いな人っていますよね。嫌いな人の方が多いか?私は12月になりこの一年を振り返ってみました。そのうちにネット上通販サイトで突然タイムセールが始まってて、余りの安さについ4,000円も無駄遣いしてしまいました。しかし、一年の振り返りと4000円の出費には相関関係があると思うんです。

      うちは幼少時代〜大学生まで基本ケチな家庭でして、持ち家だし学費も払えるし完全な貧乏ではないのだけど勉強・教養関係と漫画以外一切の出費、とくに交際費と見栄に関する(良い家具、高い家電、高級車、高い洋服など)ことは一切出してもらえませんでした。

      大人になって働き出して、最初にマズイと思ったのはそういう家庭環境もあって、洋服など見た目が見すぼらしいと思われたらどうしようということでした。だから私が洋服にお金を遣うとき真っ先に考えるのは「仕事に着て行って通用するか否か」です。家でうだうだするならジャージでいいしその辺の外出くらいならしまむらユニクロで十分。それだって高いですよ。

    この一年を振り返ると最初に書きましたが、私には4ヶ月無職の時期がありました。就職活動をしなかったのではなく採用されてたのに契約社員なのでレイオフで待機、しかもいつ次の仕事がくるか分からない待機。そして、仕事復帰し今に至ります。私はどちらかといえば働くことがあまり好きでない派なので仕事があろうとなかろうと蓄えさえ尽きなければどっちでもいい。しかし両者を比較して、赤字だったのは仕事をしてからのほうでした。

    仕事が接客業で制服なしということもあるけど、仕事服や仕事がらみで必要な書籍類の出費が半端なかった。仕事に必要な場合500円上限くらいなら経費も自分持ちなことも多いですし。前述タイムセール的な所でも「これ、仕事に来て行ける服なのに990円だって、買わなければ!」的な強迫観念が働く。

    反して無職のときの出費は微々たるもの、厳密には光熱費、通信費(ネットwifi代のみに抑える) などかかりますが基本無料のラジオテレビネットで元々幼少時代からお金をかけてた教養・映画・書籍類はなんとかやりくりできちゃうんですよね。今はアマゾンプライムとかインフィニティ(本読み放題)とか青空文庫、ネットのブックオフにアマゾン中古本、100円DVDレンタルもあるし。服も適当なシャツと毛玉だらけのズボンとかで自分は構わないので。

     仕事をするということは格好良い言い方をすれば社会参加なのだけど、人と関わるからにはよく思われたい。不快にさせてはならない。自分でも自信を持ちたい。要は他人に嫌がられない馬鹿にされない振る舞いを求められる。昔から疑問だったけど、飲み会の類でよくたった一回の食事に五千円〜一万円も使えるな、お前ら!と言いたくて仕方なかったけど我慢。服装は前述の通り。昔出張ついでに仕事の先輩とアウトレットに行ったけど、まあ、ブランドものを次から次へとよく買うこと。そりゃ稼がなければ生活できないわな。

     加齢と共に休みに遊びに繰り出すことも面倒臭くなったので、わざわざ1,800円する映画を見に行かないし年末年始に三倍価格の旅行に行くのもどうかと思うし、根が無気力なんですかね。下戸でジャンクフード好きというのも貧乏体質を加速させてるとは思うのですが。

    前にジャニーズおたくの女の子が高校中退しようとしているところを止めようとしたことがあります。彼女に「高校中退じゃ余り良い職に就けないよ?ジャニーズのCDとかコンサートだってお金かかるよね?」と諭すと「私、そのためなら交通整理だって工場勤務だって耐えられるので。」(注・彼女は水商売とか接客業には向いていない) と答えが返って来た。結局中退したけど、コンサート行けてるのかな?どっちにしてもジャニーズ、人を働かせる原動力になるって、やっぱすげえな。

      とはいえ逆に専業主婦などで節約生活、ミニマリストロハスな生活をしている方とも違うんですよね。欲望は抑えられないのでセール品や100円ショップならガンガン買います。でも、やっぱり赤字なんだよなあ。正社員のときは支出より収入が圧倒的多かったしブラックだったから暇がない分金の使い途もなかったので赤字のメカニズムなど考えたこともなかったのになー。赤字って贅沢病なのか?変な結論になっちゃったな。

      

 

    

   

小賢しいの定義

みくりは小賢しいことをコンプレックスしていたが、良く考えたらみくりってそれほど小賢しくない気がする。むしろ不器用で正直に思った事や疑問点を正面から受け止め、そのまま妄想やモヤモヤを経て平匡さんはじめ周りの人達にぶつけてしまっている気がする。

広辞苑には小賢しい: ①利口ぶって、なまいきである。②わるがしこい

という定義になっているけど、確かに①は当てはまる。平匡さんも「人を見下すって意味ですよね、僕はそうとは思いません。」と言っていたような。

     でも、私にとっていままで考えていた小賢しい女の子の定義は②のほう、つまり外見の可愛さを武器に、本音を隠して男をうまく立てて操縦できるオンナなんですよね。逃げ恥でいうと平匡のコンプレックスには目をつぶり「大丈夫、あなたは素敵だと思うな。」と嘘でも言っちゃうような。平匡さんは仕事は一応できる訳だから、ガンガン稼がせて年収も上げる。最低賃金である生活のレベルも高級家電や家具を買って月給アップ代わり。またみくりはボーナス代わりに報酬(高い洋服や宝石や旅行や高い歯の詰め物?)をもらう。今までの私が勝手に呼んでる名称ですが「上級主婦」あまり詳しくないけど雑誌のVERYを読んで、そこで紹介されているライフスタイルを実践できるような主婦って、みんな②のほうの意味で小賢しくそういう風に暮らしているんじゃないかなあ。

     ただ、平匡のほうが独身歴長い分その辺勘は良さそうな気もするので嘘八百で「好きです」とか「風見さんなんかより平匡さんのほうが格好いい。」とか言われても信じないかもしれないな。何事も本音でぶつかる性格のみくりだから、お寺で「私平匡さん好きですよ?」といったのも真実味があったのかもしれない。

      話は変わりますが、よく専業主婦の方が「欲しいものがあるときに、自分だって家事労働で貢献しているのに(逃げ恥でいうと共同経営者)旦那に、ねえ、あれ買って、あれが欲しいんだけど…」とおねだりしなければいけないのがキツイと聴いたことがあるけど、それをやってのけられるのが私から見ると小賢しさのスキルなんですよね。

   みくりはただでさえ高学歴でしかもユリちゃんという自分の分は自分で稼ぐロールモデルが居るのでどうしても従来型の女性の役割を引き受ける覚悟ができていないような気がする。作中ではみくりは歯のかぶせもの以外それほど物質欲もあるように見えないのにね。でもやはりユリちゃんを見ちゃってるから贅沢のレベルは高く節約貧乏暮らしは実は苦手なのかもしれない。みくりが従来の女性像と社会適応に問題を抱えているキャラだとは他のツイートやブログなどで何度か目にしたが、そのへんを鑑みてもやはり小賢しくはない直情型のキャラなのかもしれない。私は今季のドラマでは「地味にスゴイ・校閲ガール河野悦子」のえっちゃんの方がみくりより好きだったけど、本当は二人とも似たキャラだったのかもしれない。今の二十代女性が「専業主婦になる=最低賃金暮らしはなんだかなあ」「キャリア追求=ユリちゃんはイタイのかなあ」「私って言いたいことすぐ言っちゃう、または言いたい!=それってオトコにドン引きされるよね」に迷っているような(みくり)、振り切って暴走したいような(悦子)に分かれているのかな、と思わせられる秋冬ドラマ二本立てでした。あなたはみくり派?えっちゃん派?

    

   

逃げ恥最終回感想もどき⑴

       とうとう最終回ですね! この回を見て私が一番気になったのは当初は優位に立っていたみくりが実は「小賢しい女」だった事に大いにコンプレックスを抱いていたこと。平匡さんは自分のコンプレックスを解放してくれたみくりが苦しんでるのを見て、お礼に優しい言葉で助けてあげましたとさ➡︎めでたしめでたしって、それほど平匡大したこと言ってない気がするけど?「面倒臭いのは一人でも二人でも同じ」と慰めたんだろうけど、みくりの言う通りボランティアで彼女が一方的に家事をしたとしたら、疲れているとき家事をサボったら平匡は笑顔で許して自分で家事をするの?最後、東京フレンドパークのパロディで誤魔化してたけど、問題は解決していない気がするのは私だけですか?

    さすがに星野源徳川秀忠役で出てた真田丸パロディはサプライズかつ大爆笑でしたw五円玉ってw

     みくりの小賢しさは私にとっては他人事ではなかった。最終回でちゃんとみくりに感情移入できた気がします。当初は従業員という立場で猫かぶってましたからね。ガッキーみたいに可愛い子が金貰ってるとはいえ御主人様の言うなりの良い奥さんやってるわけですから。「20代女子よ、これみて婚活のお手本にしろよ」的なつまんない話なのかと思ってました。

     が、いい意味で裏切られました。裏ガッキー、つまり私の大好きな「リーガル・ハイ」の黛真知子(ガッキーの役名)にも通じる正論まくし立てるくせに実力伴わない、相手にドン引きされるオンナにみくりちゃんが変身していくんですよね。契約社員時代に役職ないくせに「ああしたらどうですか、こうしたらもっと良くなると思います。」と提案してたんですね、みくりちゃん。私もそういう余計な一言や実力行使が多い方なのでコンプレックスなのわかります。でも平匡がご飯炊いてないことを責めたって、掃除が実はそんなに好きじゃないことだって、皆に好かれない小賢しい女と言われたって、そのままのみくりでいいのに、なんで悩むんだろう。平匡がハグとかチューと引き換えにそれらの自称「欠点」を引き受けたことでハッピーエンドしたけど、まだ少しモヤモヤが残るのでした。

    同時に一つ前の記事に書いたように、私は平匡にはいささか王子様ぽさを感じないんです。代わりに誰なら好きなんだろうと考えたんですが、やはり「リーガル・ハイ」に行き着くんですよね。小賢しい女を叩きのめすには堺雅人演じる性格破綻弁護士(とグーグル検索で出た)古美門研介くらいのスーパーできる男じゃないと破壊力がイマイチ足りません。「私、こうした方がいいと思うんです」「そんな浅はかな考えだから君はいつも敗訴するのだよ黛くん、バーーーーーーカ、バーーーーーーーーカ!」的にね。

    もっとも、みくりもきちんと本来の職である臨床心理士への就職に再チャレンジして仕事を手に入れて、そこで力尽きたら平匡に癒して貰えばいいのかしら。ま、家事については新たな評定と契約が必要になるだろうけれど。平匡はその辺さほど男尊女卑ではないところが長所ですから。

    このドラマで一つ新しい価値観を生み出せたとしたらそれは自尊感情が低い分、今までの常識に囚われない考えを民主的に新しく考えられる所、具体的に言えば男だから、女だからというジェンダーは少しは調整できるし、力関係もどちらが上というわけではない関係を築けることではないかな。

    それでもお弁当のおかずの数とか部屋の掃除の仕方にケチつけるようなら、みくりの言う通り「小賢しくない」と同義か分からないけど学歴も知識も言い返すボキャブラリーもない呑気で天然で可愛くてすっとぼけた(この世界の片隅でのすずちゃんみたいな?)女の子を平匡は嫁にすればいい。

        当初の予想に反しガッキーが可愛いのに学歴こじらせ女だった当ドラマですが、本当にハッピーエンドだったのか、数年後離婚しちゃわないのかなと一抹の不安を予感させなくもない話だと思いました。夜中だし頭も整理されてないので感想はまた変わるかもだけど、とりあえず感想おわり。幸せな気分な人には水を差すようなことを書いてゴメンナサイ。私、みくりの何倍もこじらせてるもので。

         

時給1000円って安いですか、高いですか?

 前のブログの続きです。逃げ恥のみくりの給料とも関連のある話。私は2001年、正社員の職を投げ捨てて無職になりました。民間企業の同期を競わせて駄目な奴からクビを斬る風習とか社長の顔色を窺う企業文化を敏感に感じ取り、文字どおり投げ捨ててやりました。

   そこで見つけたのが公務員のアシスタントのアルバイトです。公務員なら上司と喧嘩してもクビにならないんじゃない?同期以前に年下の正社員のアシスタント扱いだから競わなくて良いし。しかし、今思うと厳しい条件ではありました。時給千円、1日8時間で8千円。週4日勤務。昼食代は天引き。月給換算だと月10万ちょっとでした。この仕事、当時はそんな言葉無かったけど契約社員の走りです。契約社員をしている方は何を当たり前なことと思われるかもしれないけど、お盆正月をはじめ長期の休みがある仕事だったのでその間は完全に無収入でした。

    当時小泉政権で経済底上げ政策の一環としてこの職が生まれたらしい。何枚かそのような書類を書かされた覚えがあります。こんな仕事引き受ける人はそれほど多くなく良家の子女で地元の名門大卒で腰掛けの子が一人いたっけ。あとこの仕事で足りない分パチプロで月10万稼ぐって人もいました!

   仕事内容は伏せますがある重要な資格を伴う仕事だったのでそれなりに専門知識はないと無理な仕事でした。仕事は一言で言うと「ラク!楽しい!大好き(それはドリカムだ)」。ただしアシスタントなのでペアを3人の大人(当時私は25歳)と組みましたが、こき使う人もいれば自分の仕事を他人に任せない人もいて千差万別でした。でも、専門の雑務は完璧だったし、ペアを組んだ人の中には働くお母さんや闘病生活を送っていて年休を頻繁にとってた人もいたのでその穴は完璧に埋めた自信はあります。

   それ以外は暇なこともしばしばで、その時間私は公務員採用試験勉強に充ててよいことになってたらしいのですが、別に興味ないので、雑用を引き受けることにしました。さて、そこで千円の出番です。専門職としての対価が千円というのは今まで資格取得に費やした教育費に見合わない。しかし雑用ごときで千円。私も若かったし、喜んでやりました。お茶汲み、台所周りの掃除、コーヒーメーカーの手入れ、コピー、印刷、お客様の対応。高学歴女子がする仕事かって?私親の方針で勉強以外の教育を受けたこと無いんで何やらせても中途半端ですが、だってたかが千円ですから。

   アシスタントっていう仕事は服装規定も緩かったので、私の楽しみは帰りに自転車でユニクロに寄り、処分品・返品コーナーで千円前後の洋服を漁ることでした。

    また、週4日勤務を憐れんでくれた管理職が市役所主催「子ども英会話教室ボランティア」講座の講師の口を世話してくれたのも楽しかった。ボランティアの講師なのに2時間で謝礼5千円。本来ならこの仕事は地域新聞に載せたり国際交流協会などに募集をかけるのですが、市役所的にも身元調査バッチリな私はどこかの主婦より雇いやすかった。実際私のアシストについてくれた主婦の方はいい人なんだけど何かにつけて「ちょっとお休みさせてもらいます」の連続だったから、そりゃ信用なくすよね。でも、同じくアシストについてくれた市役所国際交流協会勤務のキャリア女性は英語教育が専門では無いのにめっちゃ仕事ができて美人で素敵な人に会えたと感激しました。今も彼女とは市役所で挨拶します。夏に役所を地域開放しましょうという目的で開いたパソコン教室の講師にも呼ばれました。私パソコンの知識なんて最低限度しかないですけど。時給千円なんで、いっか。おじいさんやおばあさんにネットの見かたやWord文書作成を教えるだけの仕事なのでなんとか切り抜けました。

    そんな感じで25歳の私の中で培われた金銭感覚は千円くれれば大抵の仕事は引き受けましょう、なスタンスです。だからスーパーやコンビニやレストランはあんなに複雑な仕事なのに時給800円で引き受けて凄いな、私は無理かもなという偏見をも植え付けました。専門の英語教育の仕事は本当はもうちょいお金を払って欲しいけど大学受験とかじゃなければ別に大した手間じゃ無いんで千円くれればその場で見るよ。でも、結果にケチつけるのやめてよね。前のブログに書いたけど慣れない仕事で準備に5時間かかるんなら「時給千円はな、どうしようかなー。今後もこの仕事で千円貰い続けられるかどうかで決める。」といった具合です。

        ただ、金くれるところに行ってキッチリ仕事して、用が済んだら人間関係は無視して去る。篠原涼子主演の「ハケンの品格」というドラマのテーマでもあるし、逃げ恥のみくりの生きる際の基本姿勢でもあるらしい。私もハケンの品格には他人ごとじゃ無いなという親近感を感じました。さすらいのハルという名前もこの辺の考え方からとったものです。

    みくりは大学院で資格を取った臨床心理士になれなくても大丈夫なのだろうか。お金さえくれれば家事代行も商店街のお手伝いもしちゃうのかな。そこがやはり夢を追わないゆとりさとり世代なのか?

みくりが昨日「やりがいの搾取」を持ち出した時、プロポーズを断ったとき、この小賢しさって…覚えがある…みくりと同い年のときの私がその瞬間、10年ちょい前から呼び戻されました。

     私のその後ですが、アシスタント業務が大いに評価され正社員、つまり公務員に昇格しました。試験勉強一つもしてないのに採用試験に合格しちゃったんです。元々さすらい気質なので、退職後世界をさすらった後、あのアシスタント業務まだ募集してますか〜?って近隣市いくつかの市役所に訊きに行ったところ、もうその仕事自体廃止されたとのこと。千円くれればまた公務員のお仕事したいんですけど。あの仕事、人の役に立ってますよ〜。

産休育休と私が10キロ太った理由

https://radiocloud.jp/archive/so

 

このリンクうまく貼れたかなあ。今日のTBSラジオ「ジェーン・スー」生活は踊るの中の「相談は踊る」コーナーは必聴です。独身20代女子社員が産休明けで時短勤務の同僚のフォローをしているうちに、その同僚のことを憎く思えてくる、そんな自分が嫌いになる、という相談でした。相談も回答もラジオ放送の中で簡潔に述べられているので私が付け加える必要はありません。

  「逃げ恥」のユリちゃんについてこのブログで言及した際にも書きましたが、私は通算3名くらいのお母さん社員のフォローをしてきました。あとは仕事をしながら大学院生をしてた先輩のフォローも少し。「私は良いことをした、偉いぞ私。」な気分は7割、残り3割です。私も相談者さんと同じ心境でした。タイトルに10キロ太ったとありますが、皆さん優しいので何かある都度、私にケーキを買ってプレゼントしてくれたんです。私は酒が飲めないので幾分ヤケ気味に甘い物に走り自分の気持ちを一生懸命ごまかそうとしました。で、10kg増。なぜヤケだったか。この言葉、忘れたいのだけど「あなたもいつか結婚して子供を持ったら同じことになる。後輩に同じように仕事を任せれば良いのよ。」と言われたから。私は当時から自分の中の障害のようなものに気づいていたし、何事も思い立ったら行動するタイプなので偏見も何のその、精神病院に通院していました。(症状としては今なら心療内科でも軽いほうなんですけどね) だから結婚・子供を持つなどなどもってのほかだと思い込んでいました。(少なくとも私はそう思ったんです) とにかく病気でも人に迷惑をかけずに独身を貫く意思を固めていました。その流れで先輩たちの言葉。ラジオでもパーソナリティのスーさんが「産休にかぎらずいつ病気になるか分からないのだし持ちつ持たれつだって。」と言っていました。それも一理あるんですが、病気の時も主治医との相談もあり、休職ではなく退職を選びました。だって、鬱病なら治りますが私の奴=障害っぽいヤツは一生治らないから。だから、私の場合「親切なことをした分私だけ一方的に損した!最悪!」な気持ちは一生付きまとうでしょう。でも、お母さん社員たちのために働けたことはユリちゃんのセリフじゃないけど「私だって社会の役に立ってるもん🎶」と宣言するための証拠になったと思うんです。

     今の仕事でも働くお母さんの代わりを意識して、勤務先の塾に来る生徒が年少な程、話をしっかり聴くようにしています。宿題を見るのも勿論やります。迎えに来た親御さんに「太鼓の練習、大変そうですね。マラソン大会、よく頑張りましたね。」と今日聞いたことを報告します。余計なお世話かなとも少し思いますが、あくまで最低賃金貰ってますんで。気分は契約結婚ならぬ、契約おばさんです。

         2001年頃の話ですが、私は公務員の補助アルバイトという仕事をしていました。ある資格の保有者でないとこの仕事には就けないのですが、ここでも働くお母さん、闘病を経て入院してしまった社員、その代わりに来た社員等々をサポートする仕事でした。それについては次に書くつもりですが今様々な問題を潤滑油的に解決できるのはこんな「たいした役職名も無い根無し草的社員」なのでは、そういう職が一人部署にいると随分うまくまわるのでは、と思っています。まあ、そういうのを民間企業では契約社員って呼ぶんでしょうけど。